そしてシンジは赤い海で自分の心を正面から見つめ、自分の弱さを認めたうえでそれを直そうとする決意を固め、アスカに対する恋心を認めた。
そのアスカも赤い海の中で自分の心を正面から見つめ、これまでの傷を乗り越え、シンジへの恋心を認めた。
そして二人は恋人に・・・・・・・なってなかった。
なぜならばアスカもシンジも今の関係を壊すが恐くて互いに告白出来てなかったから。
きっと何らかのきっかけがあれば二人はすぐにでも付き合うのだろうが、アスカの誕生日のときは良い雰囲気になったもののミサトの邪魔が入り雰囲気がぶち壊し。
他にも良い雰囲気になった事はあったのだが、何故か邪魔ばかり入り二人の関係は友人以上恋人未満の関係のままずるずるとクリスマスになってしまった。
町は盛大なイルミネーションで彩られ、
ある者は家族とのパーティーを楽しみ、ある者は恋人と一緒にすごし、ある者は想い人に自分の気持ちを伝える。
そして此処にもクリスマスパーティーの準備をしている者がいた。
そう、碇シンジである。
彼は朝からミサトやアスカとのパーティーの料理をせっせと作っていた。
そしてアスカは壁や天井を綺麗な飾りでいっぱいにしようとこれまたせっせと飾り付けを行っていた。
「アスカ、捗ってる?」
「ん、シンジは?」
「順調だよ」
「そう、頑張ってね」
互いに手を動かしながら会話してた時だった。
プルルルルルルルルルル
電話が鳴った。
「アスカ、今手が離せないんだ、悪いけど出てくれる?」
「しょうがないわね〜」
ガチャッ
「はい、葛城ですけど」
「あ、アスカ?」
「何だ、ミサトか。で、何のよう?」
「悪いんだけどさ、今日はシンジ君とアスカの二人でパーティーやってくれない?」
「ええ?!何でよ!」
「それがさ〜、今日加持に誘われちゃったのよね〜、だからゴメン」
「じゃあ、アイツと二人っきりなわけ?!」
「何よ嫌なの?アスカ前私に『アタシ、シンジが好きになってたみたい』って言ったじゃない」
「ちょ、ちょっと!シンジに聞こえたらどうすんのよ!」
「いいじゃない、それにシンジ君もアスカの事好きよ」
「そ、そんなの分からないじゃない!」
「ま、じゃあそういう事でお願いね」
「ちょ、ちょっと!」
ガチャッ
「ミ、ミサトのやつ勝手に切りやがったわ」
「ねえ、アスカ、電話は誰だったの?」
「ミサト」
「ふ〜ん、何だって?」
「今日はパーティー一緒に出来ないから二人でやれだって」
「ふ〜ん、そう・・・・・・・・ええええええええええええええ二人っきり?!?!?!」
「な、何よそんなに大声上げなくてもいいじゃない、それによくあるでしょ二人きりの時なんて」
「そ、そうだけどさ、何だかクリスマスの日に二人きりって、その、恋人同士みたいで、さ」
「な、何言ってんのよアンタは!と、とにかくちょっとでも変なことしたら承知しないからね」
「わ、分かってるよ」
そしてその後二人とも顔を真っ赤にしたままパーティーの準備を再開したが、先ほどまで捗っていたのとは逆に今度は準備が滞ってしまった。
少し遅くなったが、パーティーの準備が終わった。
「ふう、少し遅くなったけどやっと終わったね」
「じゃあ、始めましょう」
二人が席に着く。
「じゃあ」
「うん」
「「メリークリスマス」」
パーン!パーン!
二人の掛け声と共にクラッカーの音が鳴る。
「じゃ、乾杯」
「かんぱーい!」
チーン
「ふ〜ん、この肉美味しいわね」
「それは、手作りのデミグラスソースで1時間位煮込んだんだ」
「じゃあ、これは?」
「バターライスにピーマンで飾り付けて雪だるまにしたんだ、雪だるまに見える?」
「見えるわね」
「で、これが」
「ツリー型のポテトサラダでしょ、何かかわいいのばっか作るわね、食べるのがもったいなくなるわね」
「そう言いながらよく食べてるね」
「だって食べないともったいないでしょ?アンタが食べないなら貰うわよ」
「だ、駄目だよ!」
「冗談よ、冗談♪」
「アスカが言うと冗談に聞こえないよ・・・・・」
「何か言った〜」
「な、何もいってないよ!」
「こら!何か言ったでしょ!吐きなさい!」
「い、いふぁいひょ、あひゅか〜(痛いよ、アスカ〜)」
急にアスカが手を離し、その場で固まってしまう。
「いたた、あれ、アスカどうしたの?」
「な、何でもないわよ!」
「本当に?顔赤いよ」
「な、何でも無いって言ってるでしょ!」
「そう、ならいいけど」
(言えるわけ無いじゃない『シンジの顔を間近で見たら見とれちゃった』なんて。
でも、シンジはアタシの事をどう思ってるのかな?知りたいな・・・・・)
「アスカ、食べないの?」
「食べるわよ!」
(もう!鈍感なのにも程があるわよ!)
食事も進み、遂にケーキの時間になった。
「アスカ、今ケーキを切り分けてくるから席で待っててね」
「うん」
(ケーキ、楽しみだな〜、何ケーキかな?どこで買ったやつかな?あの駅前の美味しい場所のだといいな〜)
「アスカ、お待たせ」
「いただきま〜す」
パクッ、もぐもぐもぐ
「?!?!これ、どこで買ったの?すごい美味しい!」
「買ったんじゃないよ、僕が作ったんだ」
「はぁ?あんたバカァ!ケーキは一般家庭で作れる物じゃないのよ!」
「え?ア、アスカ?!ケーキは自分でも作れる物なんだよ」
「そ、そうだったの?初めて知ったわ、でも、本当にこれアンタが作ったの?」
「うん、そうだよ、一生懸命練習したんだ」
「ふ〜ん、すごいわね」
ケーキを食べていた時だった。
バチン!
急にブレーカーが落ち、周りが真っ暗になり、自分一人しかここにいないような錯覚を与える。
そしてそれがアスカの幼い頃の一人にされた記憶を呼び起こす。
「イヤああああああ!シンジ!シンジ!どこに言ったの!!!!!」
「アスカ!どうしたの!僕は此処にいるよ!」
「シンジ!イヤ!もうアタシを一人にしないで!」
「アスカ、僕は此処にいるよ!」
「イヤなの!一人はイヤなのおおおおおお!!」
(どうすれば、どうすればいいんだよ、アスカに僕が此処にいる事を分からせなきゃ・・・・・・そうだ!)
シンジは急にアスカを抱き寄せる。
「アスカ、アスカ、僕は此処にいるよ、アスカは一人じゃないよ」
他の人の体温を感じられたアスカはようやく落ち着く。
「シ、シンジ・・・・・・恐かったよぉ、アタシ、もう一人にはなりたくないのぉ」
「大丈夫、大丈夫だよ。僕はアスカを一人にしないよ」
「本当に?」
「本当だよ」
「本当に?」
「本当」
「本当に?」
アスカが三度目に聞いた時だった、急にアスカの唇がシンジの唇により塞がれる。
「んむぅ?!」
最初こそアスカは驚いたが、徐々に体の力が抜けていく。
「「プハッ」」
ようやくシンジの唇が離れた。
「シ・・・・・・シンジ?」
「ごめん、急にこんな事して。でも、僕はアスカの事が好きだから。だから、アスカを一人にはしないよ」
「シンジ・・・・・・アタシも、アタシもシンジが・・・・・シンジが好きぃ、好きなのぉ」
「え・・・・・本当に?」
考えてもいなかった返事が聞けて今度はシンジが聞き返す。
「本当よ、だから」
今度はシンジの唇がアスカに塞がれる。
「んむぅ?!」
「ん、んんぅ、うむぅ」
「んう、むむぅ、んはあ」
「「プハッ」」
「お返しよ」
「・・・・・アスカの唇、二回も・・・・・」
「ふふ」
軽く微笑みながらアスカはシンジの肩にもたれかかる。
「・・・・・ねえ、アスカ?」
「何、シンジ?」
「電気が戻るまでずっとこうしていようか」
「電気が戻ったら止めちゃうの?」
「じゃあ、寝るまで」
「うん♪」
そして二人は寄り添ったまま眠気に襲われ、そのまま深い眠りに落ちていった。
ちなみに次の日の朝それをミサトに見られて、盛大にからかわれた後、ミサトの精一杯の祝福を受けたのは別の話。
あとがき
一日遅れですが、クリスマス記念が出来上がりました。
今回はEOEの世界です。
楽しんでいただけたでしょうか>楽しんでいただけていれば嬉しい限りです。
それと、今年は28日が最後の更新となり、更新再開は1月4日になります。
(まあ、後にTOPページで詳しいことを書きますが)