「目標は駒ケ岳防衛線突破!」
ゼルエルは戦車等による攻撃などものともせずに逆に強力な一撃を放ってきた。
爆発で十字の光が迸る。
「第一から十八番装甲まで損壊!」
「十八もある特殊装甲を一瞬にして!」
パニくってる発令所にミサトが入ってきてテキパキと指示を出していく。
「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ!弐号機をジオフロント内に配置!本部施設を直援に回して!」
弐号機が出撃する。
「アスカには目標がジオフロント内に侵入した瞬間を狙い撃ちさせて!」
アスカが出撃していくこの時シンジは・・・・・
(急げ!急げ!急ぐんだ!もう、後悔はしたくないんだ!早く!早く行かなきゃ!!)
今までに無いほど必死に走ってエヴァの所に走っていた。
再び発令所に視点を戻す。
「零号機は?!」
「A.Tフィールド中和地点に配置されています!」
「左腕の再生がまだなのよ」
「ちっ、戦闘は無理か、こんな時に限って司令も副司令もいないし・・・・・・そういえばシンジ君は?」
「シンジ君は現在行方不明です!」
「こんな時にあの子は何を!早くシンジ君が来てくれないと!」
「大丈夫よ!アンナやつが来なくてもアタシが何とかするわよ!」
(もう、シンジは立ち直れないかもしれない、そしてら今までアタシが助けてもらった分アイツの事を助けてあげなきゃ!
それがアタシに出来る一番の気持ちの表し方なのよ!)
「ミサト!レイはダミープラグをバックアップに初号機に乗せて!!」
「え?」
「いいから早く!」
「わ、分かったわ」
「エントリースタート、L.C.L展開」
初号機は起動しかけたが、すぐにエラーを起こしてしまう。
(もう、駄目なのね)
「パルス逆流!神経接続が切断されました!」
「ちっ!」
その間にもゼルエルはどんどんと町を破壊していく。
その音は現在走っているシンジの耳にも届いていた。
(くそっ!この爆発音はなんなんだよ!アスカは無事なのか?!)
シンジはまだたどり着けずにしだいに焦りが出てきていた。
また発令所に視線を戻す。
「駄目です!後一撃で全ての装甲は突破されます!」
「頼んだわよ、アスカ」
(来たわね!シンジがいない今はアタシがやらないと!行くわよ!アスカ!!)
ゼルエルの体が見えた瞬間にアスカはライフルを連射する。
しかしまったく効いていない。
「こんのおおおおおおおお」
カチッカチッ
「ちっ、弾切れか」
アスカは即座にライフルを切り替える、今度は二刀流だ。
しかしやっぱりゼルエルはダメージを受けていない。
「A.Tフィールドは中和してるはずなのになんで効いてないのよ!?
もう二度とシンジが傷つくような事は避けないと!!」
再び弾切れになったライフルを捨て去り今度はバズーカ二丁を盛大に打つ。
その時発令所に声が響いた。
「ミサトさん!!」
「!!」
ミサトは声が出ない。
「早く!早く出して下さい!!じゃないとアスカが、アスカが!!」
「分かったわ!初号機出撃!!」
シンジがやって来たのにまだアスカは気が付いていない。
「くっそおおおおおおおお、何で効かないのよおおおおおおおおお」
アスカの攻撃を無視してゼルエルは折りたたんでいた紙のような腕を伸ばす。
「え?」
アスカがそれに気付いた時にはもう両腕が切断されていた。
「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
アスカはゼルエルに向かって走っていく。
「アスカ?!全神経接続をカット!早く!!」
再びゼルエルの腕が今度はアスカの首に向かって伸びてくる。
「!?!?!?」
アスカは首が切断されと思い目をつぶったが、いつまでたっても痛みが襲って来ない。
そしてゆっくりと目を開けていくと、そこには首に達する寸前で紫色の腕につかまれたゼルエルの腕があった。
「アスカ、大丈夫?」
「シ、シンジ?」
「アスカ、後で伝えたい事があるから待っててね」
そう言ったシンジはゼルエルの方を振り向く。
「お前は、お前は絶対に許さない!よくもアスカを傷つけたな!!」
それを言ったシンジはゼルエルの腕を掴んだままゼルエルを引き寄せ、無理やり地面に引きずり倒す
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」
驚異的なパワーで初号機はゼルエルの仮面のような顔を引きちぎろうとする、が
ピー
急に初号機が『ガクン』と動かなくなる、内部電源が切れたのだ。
「初号機活動限界です!予備も動きません!!」
ゼルエルは急に動きの止まった初号機の顔に腕を巻きつけ初号機を投げ飛ばす。
「動け!動け!今動かないと意味がないんだ!!」
そしてゼルエルはアスカの方を向いた。
「おい!お前の敵は僕だ!アスカじゃないんだよ!だからアスカを狙うな!!」
ゼルエルが標的をアスカに戻してのをみたシンジは焦る。
そして再びゼルエルの腕が伸びていく。
「イヤああああああああああああああああああああああああああああ」
しかしこの攻撃は首の横をすり抜けていく。
「はあ、はあ、どうして?」
「リツコ、どうしてあの使徒は今攻撃をはずしたの?!」
「これは憶測でしかないけど・・・・・・恐怖を与えようとしてるんじゃないかしら」
「まさか、そんな事が」
(駄目だ、アスカを僕は守るって決めたんだ!恐怖を与えちゃ駄目だ!)
「動け!今動かないとアスカが!!だから、動けええええええええええええええええ」
シンジが咆えた、それに反応する様に初号機が咆える。
その声にゼルエルは振り向き、また初号機へと攻撃対象を変化し、腕を伸ばす。
だが、伸ばした腕は初号機の手のひらによって受け止められ、腕を握りつぶされ引き寄せられる。
初号機は引き寄せたゼルエルの腕を掴んだまま蹴り飛ばし、腕を引きちぎる。
「エ、エヴァ再起動」
「すごい・・・・・」
「まさか!信じられません!初号機のシンクロ率が400%を超えています!!」
「やはり目覚めたのね・・・・・彼女が」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」
初号機がこの世の物とは思えぬような恐怖の咆哮を響き渡す。
そして獣のように四つんばいになりゼルエルに近づいていき、自爆の間も与えずに顔を押さえつけ食らい付く。
それにマヤは吐いてしまう。
「リツコ!」
リツコの元にアスカからの声が入る。
「シンジは、シンジはどうなってるの?!」
「言いにくい事だけど、恐らく・・・・・初号機に取り込まれたわ」
「え?・・・・・・・・」
シンジが取り込まれてから一ヶ月がすぎ、サルベージ計画の日になった。
アスカは一ヶ月の間寝る時と風呂に入る時意外はずっと初号機の前にいてシンジの名を呼び続けていた。
そして今はリツコ達と一緒にサルベージを見守っている。
「自我境界パルス接続完了」
「了解、サルベージスタート」
「了解、第一信号を送ります」
「エヴァ、信号を受信。拒絶反応無し」
「続けて第二、第三信号を送信開始」
「了解、対象をステージ2へ移行」
「シンジ・・・・・」
アスカはシンジを願い、想い、必死に見守る。
ビー、ビー、ビー、ビー
「駄目です!自我境界がループ状に固定されています!」
「全波形域を全方位で照射してみて」
ピー
「駄目だわ、発信信号がクライン空間に捕らわれている」
「どういうこと?!」
「つまり・・・・・失敗」
アスカにとっては地獄とも言える宣言がリツコによって冷たく放たれた。
「え?」
「干渉中止、タンジェントグラフを逆転、加算数値をゼロに戻して」
「9エリアにデストルド反応!パターンセピア!!」
「コアパルスにも変化が見られます!プラス0.3を確認!」
「現状維持を最優先!逆流を防いで!!」
発令所に緊張が張り詰め、焦りが全職員に出てくる。
(シンジお願い、戻ってきて!)
「プラス0.5、0.8、変です!せき止められません!!」
「これは・・・・何故?帰りたくないの?」
「エヴァ、信号を拒絶!!」
「L.C.Lの自己フォーメーションが分解していきます!」
「プラグ内圧力上昇!」
「全作業中止、電源を落として!!」
「駄目です、プラグがイグジットされます!!」
エントリープラグが開き、中のL.C.Lが滝のように流れ落ちる。
「シンジーーーーーーーーーーーーーー」
アスカはL.C.Lにあるシンジのプラグスーツへと駆け出していった。
「ここは?」
「エヴァの中だよ」
「エヴァの中?」
「そうだよ、ここにいれば何もしないでいいんだよ」
「そうなの?」
「だから、一緒に遊ぼうよ」
「でも、僕は何か忘れてる気がするんだ」
「いいじゃないか、みんな君のことを傷つけるよ、それならここにずっといようよ」
「う〜ん・・・・・」
「ここでは君の好きな世界を造れるんだよ」
「じゃあ、ここにいよう・・・・・・・かな」
「待ちなさい!」
「誰?」
「シンジ、あなたはそれでいいの?」
「お前誰だよ!邪魔するなよ!」
「あなたは黙ってて!」
「ふん!」
「シンジ、あなたは本当にずっとここにいるの?」
「あなたは・・・・・誰なんですか?」
「碇ユイ、あなたの母親よ」
「かあ・・・・・さん?」
「そうよ、シンジも大きくなったわね」
「母さんがいるならやっぱり僕はずっとここにいるよ!」
「本当にいいの?」
「いいよ、ここのずっといた方が誰とも関わらなくて済むでしょ」
「あなたは守りたい人がいたんじゃないの?」
「守りたい人?」
「そうよ」
「それは誰?」
「自分で考えなさい、そうしないと駄目よ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「ア・・・・・」
「ア?」
「アス・・・・・」
「アス?」
「アスカ・・・・・・・・・そうだ!アスカだ!」
「それがあなたの守りたい人でしょ?」
「うん!」
「じゃあ、ずっとここにいてもいいの?」
「よくない!僕はアスカを守りたい!」
「じゃあ、どうするの?」
「僕は、僕は、僕はアスカの所に行くよ!」
「じゃあ、アスカちゃんと仲良くね」
「うん!」
「ひっく・・・・・うう・・・・・何で戻ってこないのよぉ」
パシャッ
アスカがシンジのプラグスーツを胸に抱いて泣いてる時だった、水音がなる。
そしてアスカがその方向を見るとシンジが横たわっていた。
「シンジィーーーーーー」
「ア、スカ」
「シンジィ、よかった、戻って来たのね」
「うん、アスカ・・・・・僕はアスカが・・・・・・」
「アタシが?」
「アスカが好きだよ」
その言葉を聞いたアスカの瞳から今度は嬉しさの涙が流れ出てくる。
「シンジィ、アタシ、アタシも好きなの、シンジが好きなのぉ」
「本当?」
「本当よ、シンジがいないとアタシもう生きていけないのぉ」
「アスカ、ありがとう、僕も、僕もアスカがいないともう駄目なんだ」
そして二人の距離は近づいて行き、やがて一つに・・・・・・はならなかった。
なぜなら・・・・・
「シンジ・・・・・」
「何?」
「服・・・・・着て?」
「え?・・・・・・わああああああああ」
アスカは目を手で隠し、シンジは股間を手で隠していた。
その光景に発令所から先ほどまでの緊張の糸が切れ、その反動でどっと笑い声が巻き起こった。
あとがき
え〜、すいません。
確か前回の『幸せを求めて』のあとがきで「明日か明後日に仕上げる」って言ったきがするのですが、結果は約一週間の間が空くということに・・・・・・いや、本当にすいません。
ほとんどどんなのになるか固まってたのですが、学校説明会やら模擬テストやらいろいろ忙しかったもんで。
では、本当にお待たせしてすいませんでした<m(__)m>