「本日12:30東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。
住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難してください。」
ピー、ピー、ピー、ガチャ
「だめかぁ、やっぱり来るんじゃなかった。待ち合わせは無理か・・・。しょうがない、シェルターに行こう。」
碇シンジは目的地を前にして足止めをくらい、電話もしてみたが回線が不通となっていた。
シンジがカッターシャツの胸ポケットから一通の封筒を取り出した。その中には「来い 碇ゲンドウ」とだけ
書かれた手紙と年上の美女が写っている写真が入っていた。胸元に矢印で“ここに注目”と書かれている。
「・・・いまさら父さんは僕に何の用なんだろう。ずっと放っておいたくせに・・・。」
シンジがシェルターへ行こうと立ち上がったとき、道路の向こうに少女が立っていた。だが、鳥が飛び立つざわめきに気をとられ
一瞬目を離すと少女はもうそこにはいなかった。
・・・とそこに、
「よう!」
と突然声をかけられた。
そこにはシンジよりやや年上の感じがする少年が立っていた。背はシンジよりもだいぶ高く、体つきもしっかりしている。
顔は体格に見合う感じで、ややワイルドな雰囲気を漂わせるなかなかいい男である。
「君は誰?」
「俺はコウイチ、大和コウイチってんだ。よろしくな。その写真の人、葛城ミサトさんだろ?
お前も葛城さんと待ち合わせか?」
どうやらこの大和コウイチと名乗る少年は、シンジが持つ写真を見てシンジに声をかけたようだ。
「うん、そうだけど・・・、君もなの?」
「おう、そうだ。突然ネルフってとこから呼び出されてな。その葛城さんが迎えに来るらしい。理由はわかんないんだけどな。
お前・・・いや、シンジでいいか?」
「え・・・あ、うん。いいよ。」
「サンキュー。あ、俺のことはコウイチでいいから。それでシンジは何で呼ばれたか知ってるか?お前もネルフに呼ばれたんだろ?」
「そうだけど、僕も知らな」
ドォォォン!ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・
シンジの声は突然の爆発音と地響きにかき消された。
「なんだ・・・この地響きは・・・?なんだありゃ!!?」
2人の視線の先、山の向こうから何機かのVTOLと人型に近い奇妙な物体が出てきた。
「なんだよあれ!?とにかく逃げよう!!」
「う、うん。」
「よっしゃ!急げ!ここにいたらヤバイ・・・げ!VTOLが落ちてきやがった。飛べ!シンジ!」
コウイチがシンジをかかえ、横っ飛びでそこから逃げた瞬間、撃ち落されたVTOLがさっきまで
2人がいた場所に落ちて、辺りは火の海だ。
「ふいー!!今のはやばかったな。大丈夫か、シンジ。」
「う、うん。僕は大丈夫だよ。どうもありがとう。」
「いえいえ、どういたしまして。ってまたかよ!」
今度はさっきの奇妙な物体が2人の頭上に飛んできたのだ。かろうじて踏み潰されずにすんだ2人の前に
青いルノーが急ブレーキで止まってドアが開いた。
「ごめーん。お待たせ!」
中にはサングラスをかけた女性がいて、2人に車に乗るように言う。2人はあわてて車に乗り込んだ。
そう言っている間にも巡行ミサイルがその物体に命中しているが、腕1本で軽く止められている。
その頃、発令所ではUNの指揮官が唸り声を上げていた。
「なぜだ!!!直撃のはずだ!!!なぜ生きている!!?」
「戦車隊は壊滅・・・誘導兵器も砲爆撃もまるで効果なしか・・・。」
「だめだ!!この程度の火力ではラチがあかん!!!」
UNの指揮官が半狂乱で叫んでいるのを、眉一つ動かさず、ゲンドウと冬月は見ている。
「やはりATフィールドかね?」
「ああ、使徒に対して通常兵器では役に立たんよ。」
「遅れちゃってごめんね〜。えーと碇シンジ君に大和コウイチ君よね。私、葛城ミサトよ。よろしくね。」
ある程度走って先ほどの物体から離れた頃、ミサトがようやくといった感じで挨拶をする。
「「よろしくお願いします。」」
「ところでアレは何なんですか?」
と早速コウイチがさっきの奇妙な物体を指差して聞く。
「あれは使徒よ。」
「「使徒?」」
「そう。私たち人類の敵よ。」
「敵・・・ねぇ・・・。それより何か戦闘機が撤退していきますけど?」
「ちょっと・・・まさかN2地雷をつかうわけ!!?伏せて!」
ピカッ!!ドォォーーーーーーン!!!!
突然の爆発と共に噴煙上がり、次の瞬間ミサトたちの車を爆風が襲い、その勢いで車はひっくり返った。
「やった!!!」
「残念ながら君たちの出番は無かったようだな。」
国連軍の指揮官の1人がゲンドウと冬月のほうに向かってさりげなくイヤミを吐く。が、ゲンドウたちは
無視を決め込んでいるようだ。
「いつつ・・・、2人とも大丈夫?」
「ええ、まぁなんとか。」「大丈夫です。葛城さん」
顔をしかめながらひっくり返った車から這い出してくる3人。車はすでにベコベコだ。
「ミサト、でいいわよ。しっかしハデにやってくれたわね。それじゃあ・・・。」
「「はい。」」
「「「せーの!」」」
ドッシン!!
3人の協力によりひっくり返った車は何とか元にもどった。
「その後の目標は?」
「電波障害のため確認できません。しばらくお待ちください。」
指揮官が尋ねたのをオペレーターが返す。爆発のせいで計測機器やカメラまでイカれたようだ。
「あの爆発だ。ケリはついている。」
と、指揮官の1人は自信を見せる。さっきのN2地雷というのは軍の切り札らしい。
「センサー回復します。」
モニターに地形のエネルギー図のようなものが写され、その中心が大きくのびあがった。
「爆心地にエネルギー反応!!」
「なんだと!!!」
指揮官の1人が絶叫する。
「映像、回復します。」
オペレーターの言葉と共に主モニターに映像が映し出される。そこにいたのは、多少顔と思われる部分にダメージを
受けているものの、全体としては影響は見られず、爆炎の中で自己修復を行う使徒の姿だった。
「我々の切り札が・・・。」
「なんてことだ・・・。」
「化け物め・・・。」
指揮官3人は呆然と呟く。切り札が通用しないのであれば、軍に打てる手はもう無い。
「ええ、大丈夫。彼らは最優先で保護してるわ。迎えに行くのはあたしが言い出したことですもの。
ちゃーんと責任もつわよ。」
ミサトはどこかにしていた電話を切ると、考え事にふける。
(しっかしもーサイテー、せっかくレストアしたばっかだったのに早くもベッコベコ〜。ローンがあと33回プラス修理費かあ〜。
おまけに一張羅の服もボロボロ〜。せっかく気合入れてきたのに〜。とほほ〜。)
「・・サトさーん。ミサトさーん。」
「えっ、なーに、シンジ君?」
「いいんですか?こんなことして?」
シンジがジト目で見つめる後部座席にはあちこちから盗ったバッテリーが積んである。
「あははー、いいのいいの。今は非常時だし。車動かなきゃしょうがないでしょー。それにこう見えても
あたし国際公務員なんだから、万事OKよ。」
「そうそう。細かいことは気にすんなよ。」
コウイチが横から口を挟む。
「あら、コウイチ君気が合うわね。」
「でも説得力に欠ける言い訳ですね。」
「つまんないの。かわいい顔して意外と落ち着いてんのね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれ・・・もしかして怒った?」
シンジはむっとしてミサトを睨んでいる。
「あははー、ごめんごめん。おっとこのこだもんねー。」
ミサトは軽い口調でシンジをからかっている。
「ミサトさんこそ歳のわりに子供っぽいひとですね。」
シンジが余計なことをいった瞬間ミサトは車を蛇行運転させる。どうやら「歳」の部分がまずかったようだ。
再び発令所。ゲンドウが指揮官の前にいた。
「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう。」
「了解です。」
「碇君、我々の所有兵器では目標に対し有効な手段が無いことは認めよう。だが、君なら勝てるのかね?」
「そのためのネルフです。」
「期待しているよ。」
そのまま指揮官は退室していった。
「目標は未だ変化なし。」
「現在、迎撃システム稼働率7.5%」
オペレーターから常に状況報告が入るが、何とも心もとない数字である。
「国連軍もお手上げか・・・。どうするつもりだ、碇?」
「初号機と参号機を起動させる。」
「初号機と参号機をか・・・?パイロットがいないぞ。」
「問題ない。それぞれ予備が届く。」
「でもさっきの爆発でもアレ、倒せませんでしたね。」
「しょうがないわよ。相手は未知の生物なんだし。それより2人ともIDカード持ってる?」
「「はい。持ってます。」」
2人はIDカードをだす。
「オッケー。じゃあ着くまでにこれ読んどいてね。」
ミサトはそう言って「特務機関NERV江ようこそ」と書かれたパンフレットのようなものを2人に渡す。
裏には極秘と書かれている。
「パンフレットが極秘でどうすんだよ。」
と、コウイチが突っ込む。確かに第三者に紹介するためのものが極秘では意味を成さないが、組織の性質上しかたないだろう。
「ホラ、細かい事言ってないで、読んで頂戴。」
「はいはい・・・。」
それからしばらくは車内を沈黙が支配する。その間にも車は刻々とネルフへ近づいてゆく。
世界を救うはずの、そして人をわずかな希望と大いなる絶望へ導く運命の舞台となるはずの場所へと・・・。
あとがき
TMです。初めて書くのに連載、しかもオリキャラ登場というかなりのムチャをやってしまいました。
翔矢さん。こんなものを送りつけてしまってすいません。お見苦しい点も多々あるかとは思いますが最後まで付き合っていただければ幸いです。
絶対にLASにはしますが、この分だとアスカの登場は相当あとにずれ込みます。それまで待ってて・・・いただけますかね?
次回はちゃんと(?)使徒が来ます。お楽しみに!
コメント
TMさん投稿有難う御座います。
しっかし、これは色々と面白そうな展開が予想できますね。
オリキャラ君が何処まで話しに関わるのか楽しみにしてますよ。
でも、オリキャラを意味の無い存在にはしないでくださいね。僕ならしちゃいますけどw
では、みなさまどしどし感想を送りましょう。
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